月華side





何にも染まっていなかった池田屋は血の海と化していた。




実際池田屋の中で刀を振るうのは近藤さんと沖田さんと永倉さんと平助と私だけ。



それでも私達の方は押していた。




一人、二人と斬って行く。



あれ、そう言えば私長州の奴等を斬っているのに、何で暴走しないんだろう…



何で、こんなに冷静なの?


本当の仇がわかったから?


それとも、新撰組のため?



また、一人、二人と斬っていく。








「へぇ~…あの時の顔じゃないね」






クスクスと笑い声が聞こえる。




その声の方へ視線を向けると柱にもたれてこっちを見物しているあいつがいた。



「時斗…」



「会いたかったよ、月華。」