沖田side
「ありがとうございます!」
その言葉より僕は彼女の表情に釘付けになった。
初めて見た訳でもないのに、そのふにゃりと笑った顔にドキッとした。
そして自分の顔が熱くなるのを感じた。
え、なにこれ…っ
初めてのことに戸惑いながら他の幹部を見ると皆同じように顔を赤らめ戸惑っていた。
唯一落ち着いている近藤さんはニコニコ笑い、何故か「そうか、そうか」と頷いていた。
彼女も不思議そうに首をかしげている。
その姿にも何故かドキッとしてしまい、このよくわからないトキメキから逃げたくなった。
…ドタドタ―――
この足音に救われたような気がした。
きっと平助が此処へ向かってくる音。
一くんが放置してきたと聞いたから多分それでこちらに向かっているのだと思う。
―――バンッ!!
開かれた戸は他の戸にぶつかり結局戸は閉められた


