平助side
いきなり抱きついてきた月華に戸惑い離れそうになったが小刻みに振るえる月華から離れてはいけないと思った。
「極秘任務、だったの…だから、言っていいのかわからなくて…
古高の店の潜入捜査で、頼ってくれた土方さんの期待に応えたくて…
っ、でも…怖くて、逃げてきちゃって…どぉしよぉ…
私、任務失敗しちゃった…どぉすればいいの?平助ッ…」
一生懸命俺に伝えようとしてくれている月華に申し訳なくなった。
そうだ、月華が悪い訳じゃないのに、俺、何あたってんだろ…
でも、怖いって?
「怖いって、何か、あったのか?」
そう聞くと確かに頷き俺に抱きついている腕に力がこもり小さな声で「嫌わないで」と聞こえた。
俺はその腕に応えるように身体を回転させ月華を正面から抱き締めた。
「嫌わないから、教えて?」
「っ…押し倒されて、肩直接触られて、首筋から耳にかけて舐められてっ…
気持ち悪くて、身体を触る手が、気持ち悪くて…
私、キタナイッ…!
でも、お願いッ!
平助だけには嫌われたくないッお願いッ嫌いにならないでッ――!」
頭を何かで殴られたような気がした。
俺は、好きな人一人守れねぇのかよっ…
え…
好きな人…
あぁ、そうか…


