今の状況が把握できていないのは私だけなのか…
土方さんは殴られたところを撫でながら立つ事もせず私から目を逸らし、斉藤さんはそんな土方さんを何とも言えない表情で見据え、また平助の気持ちも解かっているかのように平助の肩をおさえている。
この状況についていけていない私は戸惑うが掴んでいた平助の腕が微かに震えているのがわかった。
目があった平助は私の腕を引っ張り土方さんの部屋を後にした。
部屋に向かう途中の廊下は静まり返っていて少し早足で歩く平助の背中を見ているとホッとするような少し寂しい気持ちになった。
でも、
何故か今すぐにその腕に包まれたくなった…


