温かい愛の中で



雨は嫌い。
服は濡れるし、ジメジメするし、髪はまとまらないし。

最悪な日だ。
帰りたい。

そう思っていても足は前へ前へと進んでいく。

なんとなく時計に目をやる。
もうどう頑張っても遅刻だな…。
走っても歩いても濡れるしめんどくさいから歩いて行こ…。


学校に着いた時にはもう授業は始まっていた。

誰もいない廊下を滴る水で濡らしながら歩いていく。