ところで何で俺はあいつの後ろをつけてんだ? これじゃまるでストーカーみたいじゃないか。 最近自分のことがわからない。 何であいつが目に付くのか。 何であいつに対してよくわからない感情を抱いているのか。 あいつは俺がついてきていることに気づかないままスタスタと廊下を歩いていく。 薄暗い太陽の光の入らない階段を上っていき、いつもの屋上の扉を開くあいつ。 扉の前で立ち止まる俺。 ──死んでしまうんじゃないだろうか。 消えてしまうんじゃないだろうか。 俺は思い切って扉を開ける。