温かい愛の中で



顔を上げ歩き出そうとした時、誰かにぶつかった。

最近ぶつかりすぎでしょ、私。

「すいま…せ…」

またコイツか。
屋上でよく会う男子。
なんなのよ、もう。
ぶつかった人が言えることじゃないけど。

「すいませんでした。」

もう一度ちゃんと謝って、屋上に向かった。

あの男子ついて来なきゃいいけど。
まぁついて来ないだろうけど。

そういやあの男子屋上以外で見るの初めてかも。
ま、そんなことどーでもいいけど。


───屋上にはやっぱり誰もいなくて。

「はぁ…。」

いつになったら普通の独りぼっちになれるんだろう。


ギィ…

は?嘘でしょ?
何で…



何で…。
何でついて来てんの!?