「無言ゲーム」のターゲットになってしまった以上、クラスの人は私と会話しない。
黒板に移動かどうかぐらい書いてくれればいいのに。
わざわざ職員室に行って英語の先生に移動かどうか聞いた結果、移動ではないことが発覚した。
最悪。
聞きに来るんじゃなかった。
「あ、三藤先生。」
「おー早川。昨日早退したんだってな。もう大丈夫なのか?」
「はい。もう大丈夫です。」
「あの日から何もなかったか?」
あの日…あぁ最悪な1日のことか。
「何も…」
花乃…真維…梓桜…。
「何もなかったですよ。」
あ、今私嘘吐いた…。
「そうか。ならいいんだ。何かあったら言いに来いよ?いつでも聞いてやるから。」
「ありがとうございます。それじゃ。」
そうだ…花乃達のこともゲームのことも誰かに話したって何も変わらないんだ。
だから嘘吐いて正解だったんだ。
誰にも迷惑かからないし。
私だってそれでいいし。
うん。正解…。
