~千宙said~
授業に戻る気なんてさらさらない。
行く場所もない。
だから階段に座ってイヤホンをして大音量で音楽を流し「今日」という日が終わるのをじっと待った。
あと何時間で「今日」が終わるんだろう。
何かを待っている時間はなかなか過ぎてくれない。
楽しい時間はあっという間に過ぎてくのに。
めんどくさい…。
…気がつくと夢の中。
真っ暗で深い深い闇に独りぽつんと立っている。
ギィ…扉が開く音。
暗闇に一筋の光が差し込む。
夢…じゃない!
私はバッと顔を上げ後ろを振り返る。
さっきの男子が驚いた顔で私を見ていた。
やばっ!
逃げるように階段をかけ下りる。
コトンッ
あ、何か落ちた。
どうしよ戻ろっかな…まぁいいか。
何も落としてない…ということにしよう。
後でポケットを確認すると名札がなかった。
