私は授業を受ける気になれず屋上に行くことにした。

屋上には誰もいなくて広々としていた。

まぁ授業中だから人がいないのは当たり前だけど。

1時間何しよう…。

屋上の柵に座って空を見上げる。
初夏の空は真っ青で私の心とは正反対。


人生って何でこんなにめんどくさいんだろ…。

柵から下りて下を見る。

落ちたら…死ぬのかな?
 
───ヒュォォォォ

建物の下から強い風が吹く。

なんとなく手を広げてみる。

生まれ変わったら鳥になりたいなぁ…なんて。


ギィ…と重い扉が開く音がした。
急いで広げていた手を下ろす。

「…死ぬの?」

え…?


柵を乗り越えて返事をする。

「…死ねたらいいね。」

私は早足で屋上を立ち去る。



どうしてあんなこと言ってしまったんだろ。
でも死ねたらどれだけ楽だろうって思う気持ちは本当にあった。

だけど今日初めて会った知らない人にあんなこと言うなんて…。

「何やってんだろ私…。」

…初めて?
前に会ったような…気のせいか。