温かい愛の中で



2時間目もずっと友達について考えていた。
ずーっとずーっと。

気がつくともう6時間目が終わろうとしていた。

「雨…止んでる…。」

私の小声に小木が反応して近づいてくる。

「何ですか?早川さん。授業中ですよ。何かありましたか?」

しまった。
小木の授業だったか。

「いえ、何も。」

「そうですか。授業中は私が発言していいと言ったときだけ発言しなさい。」

小木がそう言った途端教室がざわめき出す。

「サイテー。」

「意味わかんなーい。」

「マジうぜぇ。」

みんなが小声で小木の悪口を言う。
私のあの小声も聞こえていたんだからみんなの声も聞こえているんだろう。

───バンッ

小木が教卓を思いっきり叩いた。

「黙りなさい!!!」

教室が凍りついたように静かになる。

「私の言ってることに何か間違いがあるのですか!?あなたたちは黙って私の授業を受けてればいいんです!大体早川さん!あなたが喋るから私が怒鳴らなければならないんです!!」

私だけが悪いのか?
まぁ確かに喋ったけど…。
あんたの耳が良すぎんのも問題なんじゃないの?

まぁいいや。
どーでも。

「すいませんでした。」

「ほんっとにいい加減にして欲しいわ。」

どっちがだよ。
本当にうるさい。
めんどくさい。