職員室には授業中だからあまり人がいなかった。

「タオル取ってくるからちょっと待ってろ。」

三藤先生は職員室の中に入っていった。

友達…心を許せる…一緒にいて楽しい…失いたく…ない…
友達…親友…仲間…───

全然わかんないや。
めんどくさい…。

「早川ー。タオルこれでいいか?」

「はい。なんでも大丈夫です。」

「じゃぁこれな。」

差し出されたタオルを受け取り濡れた髪を拭く。

「ありがとうございます。あの、洗濯して返せばいいですか?」

「んーどっちでもいいぞ。」

「あ、じゃあ洗って返します。」

「そうか。いつでもいいぞ。風邪引かねぇようにしっかり拭けよ。」

「はい。」

貸してもらったタオルはふかふかで洗剤のいい匂いがした。

「帰るときにも雨降ってたら遠慮なく傘借りに来いよ。」

「ありがとうございます。でも先生が濡れちゃいますよ。」

「大丈夫だ。こういう時のために2本持ってるんだ。」

「あぁ、念には念をって言いますもんね。」

「本当はな俺の奥さんが心配性でな持って行けってうるさいんだ。」

「へぇーいい奥さんじゃないですか。」

「ハハッまぁな。」

三藤先生は照れながら頭を掻いた。