私と三藤先生は歩きながらいろんな話をした。
勉強の話とか最近の家、学校の話。

それから今朝の話。

「先生…。」

「ん?なんだ?」

三藤先生ならお母さんと違うことを言ってくれるかもしれない。

「友達って休みの日は必ずどこかに出かけなきゃいけないもんなんですかね?」

「そんな事はないと思うぞ。休みは自分のものだからな。」

「そうですよね。」

「何だ?どうした?何かあったのか?」

「その…。」

「大丈夫だ。誰にも言わねぇから。言ってみろ。な?」

三藤先生の言う『大丈夫』は何故かすごく安心できる。

私は今朝の出来事を全部三藤先生に話した。

三藤先生は黙って私の話を聞いてくれた。


「友達ってよくわかんないです。どこからが友達でどこからが友達じゃないのかとか。お揃いのものを持ってたら友達なんですかね。」

鞄に付けたヘビのストラップを見る。

「ん~どうなんだろな。俺にもよくわかんねぇけどな、本当に心を許せる人ってのが友達なんじゃねぇのか?あーそれか一緒にいて楽しいとかな。まぁ友達ってのは難しいからな。誰も答えを知らない。」

「一緒にいて楽しい…」

「友達は多いほうがいいって言うけど大切な失いたくない友達が一人いればいいって俺は思うけどな。」

失いたくない…友達…。