そんな中無理やり作ったかっこいいと思う先輩が
だんだん気になり始めていた。

3年生が教室の前を通ると
どこにいるのかなぁと探してみたり。

その先輩を見つけるとうれしくなったり。

さらに目があったときなんて頬がゆるんじゃったり。

本気で先輩をかっこいいなぁって思い始めていた。

そしてそんな毎日を繰り返しながら
近づいてきた卒業式。

あたしたちの学校は第二ボタンをもらうのではなく
制服につけているネームをもらうのが主流だった。

あたしもその先輩のネームがほしくて
思い切って友達にもついてきてもらって先輩のもとへ行った。

「先輩!もしよかったらネームもらいたいのですが・・・」

あたしの声はだんだん小さくなって
最後の方はちゃんと先輩にまで聞こえたかはわからなかった。

でも先輩には聞こえたようで
「あぁ、あまったらやるよ。」
と言われあたしはもう幸せで仕方がなかった。