優輝がいつものように朝の稽古場に行く。
あの闘いから一週間がたった。変わったことは、優輝が霊力を使うのが格段に上手くなったという所だ。
優輝が稽古場に入るのと同時に親父につけられたらしい結界を強制的に解く。髪の色が銀色に染まる。
「おはようございます。」
と先代当主に挨拶をする。
「うむ。もう霊力の修行はよかろう。結界の術に移ろうかの~。優輝の属性はなんじゃ??」
中にいる二人に聞いているようだ、しばらくして、
「五行『木・火・土・水・金』と陰の『隠(イン)』と陽さんの『陽(ヨウ)』が使えるようです。こないだの修行でいろんな記憶が手に入ったので必要な結界術を陽さんから習いました。」

「ふむ。」
つまらなそうに頬を掻く。先代当主はいきなり何を思ったのか、目の前に金の塊を形成して
「壊してみぃ??」
と言ってきた。優輝は手を向ける。闇がその金の塊を何もなかったかのように消していった。
「分かった。お主の修行はそちらの二人にまかせよう。」
と言って、前に使っていた道具の小さい版を優輝の目の前に出した。
優輝がそれに手を添える。
小さな紙は小さな陽さんと陰が姿を象った。