……なんかもう、いろいろ限界だ。
記念日のカミングアウトからはじまり、次の日はわけも分からずオトコの娘カフェに連れて行かれ、メルさんには大学で待ち伏せされ、たくさんの学生たちが見ている前で強制連行。
メルさんから葉司のオトコの娘化の理由を聞いて、葉司とちゃんと話をしたいと来てもったものの、ふたを開けてみれば、もしかしたら女の子になりたい願望があるのかも、だと!?
こうして事実を並べると、最近のあたし、なかなか濃ゆい生活を送っているじゃないか……。
自分の気持ちを押しつけているだけなのはよく分かっているし、葉司に当たり散らすのも、お門違いなのは十分承知している。
けれど、どこにこのやり場のない気持ちをぶつけたらいいというのだろうか。
いい加減、吐き出さないと発狂してしまう。
「マコのことは大事に思ってるし、ずっと好きだってこの前も言ったろ? その気持ちは今も変わらない。俺は俺だよ、ねえ、マコ」
「そんな中途半端な葉司は嫌よ!」
「……じゃあ、マコは俺にどうしてほしいの?」
「分かんないっ!」
分からないよ、そんなの……。
簡単に答えが出せることじゃないから、こんなにも悩んでいるのだろうが、葉司のバカ!


