オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*

 
主に白を基調としていながら、レースや小花柄のアクセント、それに猫足のチェストといった可愛らしさが上品に漂う家具のおかげで、乙女心がくすぐられ、淡白な印象はまるでない。

あたしなんぞのセンスで語ってもいいのか分からないのだけれど、ベッドに無造作に脱ぎ捨てられた服さえインテリアの一部のような。

そんなハイセンスな空間だと思った。

……ただ、小心者ゆえ、その全てが高級なものなのかも、と思うと、なんの気なしに置かれているように見える小さなガラス細工の置き物だって、むやみには触れないのだけれど。


「お待たせー。はい、どうぞ」

「わーい」


そうこうしていると、紅茶のいい香りを漂わせながらメルさんがやってきて、ソファーに座っていたあたしの前にティーカップを置いた。

隣に座ったメルさんは、『ねこみみ。』でのときのようにソファーに深く座ると、優雅に足を組んでティーカップを口に運ぶ。


「さて、さっそくで悪いんだけど、本題に入ろうかしら。まずは、いきなり連れて来ちゃってごめんなさいね。どうしてもあなたに言っておきたいことがあって、待ち伏せたわ」

「いえ、お構いなく……」