葉司つながりで知り合ったあたしたちだけが唯一話してくれる女の子、ということになる。
そして、密かに奈々を狙っていることを、あたしはもっと密かに知っていたりもする。
それはそうと、純平はその体格に見合うだけの早食いの大食いだから、今から食べ始めても午後一の講義には余裕で間に合うだろう。
葉司を含めたあたしたち4人は、それぞれ専攻も学科も違うから、果たして純平が午後一からの講義をとっているかは知らないけれど。
というか、正直、興味はない。
だってゴリラだもの。
「ねえ、座ってもいい? なあ、いいだろ?」
そして、ちょっとウザいんだもの。
「あたしたちは講義だし、もうそろそろ行くけど、それでよかったらお好きにどうぞ」
「奈々チャン、サンキュー!」
「ウザ……」
奈々がたまりかねて言うと、純平はわざわざ隣の席をくっつけてその隣に座る。
そうするとあたしたちの席だけ一気に狭苦しくなり、もうすぐ冬なのに、おまけに暑苦しい。
おそらく純平は、普通の人より2~3度、体温が高い新人類なのだと思う、こっちは防寒対策をしはじめているというのに、今日のファッションは胸の前に『バスケ魂!』とデカデカとプリントされているTシャツにハーパンだ。


