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それからのあたしたちは、そりゃあもう、周囲のみんながドン引きするほど、大学でもお互いの部屋でも、ラブラブっと過ごしていた。

季節はいつの間にか春に差しかかっていて、桜のつぼみがほころび始めたり、雪解けの便りが北のほうからも徐々に聞こえはじめている。

卒業シーズンまっただ中でもあり、先日はあたしたちの通う大学でも卒業式が執り行われたばかりだし、ニュースを見ていても、幼稚園の卒園式から大学まで、さまざまな良き日の門出がテレビの画面いっぱいに映し出されていた。


「葉司、桜が咲いたらさ、メルさんたちも誘って、みんなでお花見行かない? 楽しいよー」

「そうだね。じゃあ、春服買わなきゃなぁ」

「どっちの?」

「どっちも」


そんな中、相も変わらずな葉司とあたしは、葉司のサッカー部の練習の帰り、大学近くのファーストフード店にて、ファッション雑誌を一緒に眺めながら軽食をとる。

普段の葉司も、オトコの娘化しているときの葉司も好きなのだけれど、久しぶりにサッカーをしている姿も見たくなり、見学したのだ。

奈々や純平も誘ったのだけれど、残念ながら都合が悪かったり、バスケ部の練習だったりで、まあ、これもデートの一環である。