竹山のことも、なんだかんだで好きだなー。

アズミのルール説明が終わり、竹山と固く握手を交わしながら、あたしはそう思った。


告白大会のルールは至極簡単だ。

まず先にじゃんけんをし、勝ったほうが先攻、後攻を決められる権利を有する。

両者の告白が終わると、愛菜が判定をし、軍配が上がったほうと一緒にくす玉を割る。

そこで、キスなりハグなりで愛を大いに確かめ合ったのち、告白大会終了、という流れだ。


先攻、後攻を決めるじゃんけんは、いつも店で愛菜とじゃんけんをして鍛えられている竹山が勝ち、先手必勝!ということらしく、竹山は先攻を取り、あたしは後攻となった。

あたしはいったん、ステージの端にはけ、アズミの「それではどーぞ!」という合図を受けた竹山は、中央に用意されているスタンドマイクの前へ進み出ると、その口から愛を唄う。


「俺は愛菜ちゃんが大好きだ。愛菜ちゃんが愛菜ちゃんであることが、俺の何よりの喜びだ!愛菜ちゃんには、できればずっと、オトコの娘のままで俺のそばにいてほしい!とにかく、愛菜ちゃんの全てが、可愛くて可愛くて仕方がないんだ!俺のものになってくれ!!」


そう一気に言うと、竹山は「以上!」と締めくくり、最後に威勢よくお辞儀をした。