痛いくらいに真剣な想い、というのを、彼の告白以外に、あたしは知らない。
告白の場にどうしてここを選んだのだろう、という、極端に言うと否定的な気持ちも、いつの間にかどこかへ消え、彼の告白に素直に嬉しいと思う気持ちが、胸いっぱいにあふれる。
おそらく彼は、イベントや場の雰囲気を借りて告白をしていることを良しとはしていない。
けれど、考え方を変えてみれば、大勢の人の前で想いを伝えるには、相当の覚悟や勇気が必要なわけで、それくらい、あたしに対して真剣でいてくれている、と取ることができる。
「好きです。石田さん……」
最後にそう言い、彼はマイクを離す。
直後、拍手と歓声がどっと沸き上がり、駒村コールとともに、あたしに対して、早く何かしらの返事を、と求める声も混じりだした。
「まことちゃん、どうする?」
「どうする、って……」
乾先輩が耳元で聞いてくるも、むしろあたしのほうが聞きたいくらいで、早く返事を、とせがむ声に気が焦るばかりのあたしは、そりゃあもう、うろたえる、うろたえる。
どうしたらいいか全くもって分からず、今にも失禁……いや、失礼、卒倒してしまいそうだ。
ただ、彼の男気あふれる告白に心が大きく揺さぶられたのは確かなことで、えいっ!!


