ただ、一昨年の学園祭のとき、葉司も今のあたしのような、なんとも言えない心境で出番を待っていたのかと思うと、あたしへの気持ちの大きさが嫌でもよく分かって、手放しで嬉しくなるのは、どうしたって否めない。
公衆の面前で愛の告白だなんて、葉司も思い切ったことをしたもので、それを今、あたしもしようとしているのだから、結果はどうなるにせよ、それ相応の覚悟をしなければなるまい。
まあ、厳密に言えば、メルさんや奈々に仕掛けられて告白をする、という形なのだけれど、メモリアルっちゃ、メモリアルなわけで。
「……分かった。あたし、やる」
「お!やるんだ?」
「だって仕方ないじゃん。ステージまで用意してもらって断ったりしたら、メルさんに悪いもん。それに、奈々も見たいんでしょ?」
「むふ。マコの、そういう諦めのいいところ、あたしやっぱり好きだわ!」
「適応能力に優れている、って言ってくれ……」
そうして、あたしは告白を決意したのだった。
なんだか、うまく担ぎ上げられた感が否めないのだけれど、これもあたしの運命なのだ。
そう割り切るほうが、得策である。
「じゃあ、精神統一するから、静かにしてて」
「はーい」


