「なーんだ、そういうことだったら、はじめに言ってくださいよ。あたしも、ステージで告白するの賛成!お客さんの前だったら、竹山も不正のしようがないし、いいと思う」
「そうよね!そうよね!」
「奈々っ!! 親友を売る気かっ!!」
「いいじゃん。メモリアル、メモリアル」
「~~~~っ!!」
けれど、案の定というか、より面白い方向に話を持っていきたがる奈々がメルさんに肩入れしてしまい、この通り、惨敗だ。
何も言葉が出ないうちに、メルさんはルンルンとスタッフルームを出ていき、パタン。
ドアが閉まり、奈々と2人、取り残される。
「まあまあ、マコ。マコの気持ちはよーく分かるけど、メルさんも、あれはあれでマコに協力したいんだって。あたしみたいに、ただ面白い方向に持って行きたいだけじゃないんだよ」
「……奈々、あんた、今、すごいこと言ったね」
「ん? まあね」
「はぁ……」
もう、ため息しか出てこない。
あたしも好き勝手やって、ここに来でいるわけだから、棚上げにしては言えないけれど、あたしの周りの人間は、みんな勝手ばっかりだ。
奈々も、フォローしてくれているんだか、そうじゃないのか、分かりゃしない。


