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メルさんや野宮さんから、あの日、バレンタインのチョコ代わりに突破口を示してもらい、それから考えること、数週間。

今まで悩んでいた期間に比べると劇的に短期間で答えを出したあたしは、週末、奈々を部屋に呼び出し、あるお願いをしてみることにした。


「ねえ、奈々。あたしさ、ちょっとお願いがあるんだけど、聞いてもらってもいい?」

「ん?」

「あたし、やっぱり葉司が好きなんだ。竹山と話がしたいの。一緒に来てくれる?」


すると、メルさんお気に入りのインスタントコーヒーを口に運んでいた奈々は、ぶふーっと勢いよくそれを噴き出し、目を白黒させる。

無理もない。

別に秘密にしていたり、嘘をついて来てもらったわけではないのだけれど、相談したいことがある、とだけ言って呼び出したから、奈々はまだ、あたしがここまではっきりとした答えを出せていないと思っていたのだろう。

でも、違うんだなー。

あたしだって、やるときはやるのさ。


それにしても、すごい勢いだな、奈々……。

お気に入りのカーペットが台無しだよ。


「ちょっ、どういうわけでそうなったの!?」

「ん? まあ、ちょっとね」