「でも、今からだと、まことちゃんを満足させられるかどうか微妙だわ。まあ、できないこともないけれど、それよりも重要なのは!」
「じゅ、重要なのは……?」
「まことちゃんはずっと、男も女も関係なく人を好きになっていた、という事実よ!!」
そう言うと、メルさんはビシッと差していた指をおもむろに下げ、今度は両手を腰に当て、ぐいーっと前に屈むような体制で、その絶対的に美しい顔をあたしに近づけてくる。
お風呂上がりということでスッピンだったメルさんの顔は、もとが美青年ゆえ、いくら中性的な顔立ちだとはいっても、やはり男性だ。
口調こそ、いつも通りの女の子なのだけれど、どうしても顔や裸に目が行ってしまい、悲しいことに、どうにかなっちゃいそうだから近づかないでくれ……!! としか思えないのが正直なところで、話の半分も耳に入ってこなかった。
これから本腰を入れて答えを出していく上で突破口になり得る、とんでもなく重要な、かつ、すごく簡単な答えの導き方を教えてくれているような台詞だったのだけれど……。
なんでいちいち脱ぐかなっ!!
こんの、脱ぎ魔がっ!!
なんだよ、全然思い出せないじゃないか!!


