オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*

 
……ねえ、メルさん、一体全体、あたしはどういう言葉を返したら正解なんですか!?

また、うふふ、なんてお上品に笑っておられますけれど、そんなことを言われてしまっては、もしかしたら、今後のメルさんの見方が変わってしまうかもしれないではないか。

怖い怖い、やだやだ……っ。


あれ、でもちょっと待って。

ベロチューも、体の関係も持ちたいくらいにあたしのことが好きなら、それって、男の子の気持ちで好き、っていうことじゃないの?

あたしは女の子だし、本来のメルさんは麗しい美青年だし、普通に男女の恋模様として成立することなのでは? と思うのだけれども……。

すでに混乱している頭を、どうにかこうにか働かせ、そう、あたしなりの見解を述べてみる。


「まことちゃん、あなた、おバカ?」

「すみません……」


けれど、どうやら違ったようで、優雅にコーヒーを口に運ぶメルさんに、冷ややかな口調と目で、バカと言われてしまった。

てか、難しすぎる……。


「さっきも言ったでしょう、あたしたち“オトコの娘”は、男女の区別なく、自分が好きだと思った“人”を好きになるの。たまたま、まことちゃんが女の子なだけで、もしもあなたが男の子だったとしても、人として好きだと思えば、いろいろと関係を持ちたいと思うわ」