それはさておき。
「あの、あたしに話って何ですか? 葉司や竹山のことでしたら、もう一度、ちゃんと自分の気持ちと向き合って答えを出そうと……」
そろそろチョコも冷えた頃で、最終段階のラッピングのことが気になりだしたあたしは、メルさんにそう言い、話を切りだした。
けして、メルさんの裸に耳まで真っ赤になったことをまたからかわれたくないから、こちらから本題に入ったわけではない。
……けっして、ない。
「あら、そうだったの。まことちゃんも、いよいよ本腰を入れて向き合いはじめてくれたようで、とっても嬉しいわ。でも、今日あたしが話したいことは、そのことじゃないの。だからさっき、裸で出てきたわけなのだけれど」
「へ?」
「うふふ。今日は、あたしたち“オトコの娘”が人を好きになる基準をオベンキョしましょ」
「は、はあ……」
けれどメルさんは、あたし的にはなかなか勇気がいった決意表明をさらっと受け流し、これからお勉強会を開くという。
わけも分からず頷いたものの、果たして、メルさんたち“オトコの娘”が人を好きになる基準というのは、一体、どういうことだろうか。
え、普通に恋をするんじゃないの……?


