けれど、そんなことを思っている間に、野宮さんの提案によってメルさんはシャワーを浴びることになり、野宮さんは着替えの用意やバスタブのお湯張りにと、テキパキと動き回る。
あたしはその様子を、ほんっと、愛だよなぁ、と、野宮さんの尽くしぶりを感心しながら見ていたのだけれど、そこで、はたと思う。
お風呂上がりのメルさんって、どんなだ……?
「じゃあ、行ってくるわ。呼び出しておいてごめんなさいね、まことちゃん。30分で戻るわ」
「いえ、お構いなく」
そうしてバスルームへ向かっていくメルさんを見送ると、キッチンの片づけを手伝いながら、先ほどの疑問を投げかける。
「野宮さん、メルさんのお風呂上がりって、どっちですか? 男性? それとも女性?」
「そういえば、石田様は、お嬢様とご一緒に眠ったことがおありなのですよね。そのときは、どちらが先にお目覚めに?」
「え、メルさんですけど……」
「ふふ」
んんっ!?
確かに、クリスマスのときの一件で、心配して様子を見に来てくれたメルさんと、お互いに寝ていなかったため、とりあえず寝よう、ということで一緒には寝たけれど、それとお風呂上がりと、どう関係があるのだろうか。


