オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*

 
ーーー
ーーーーー
ーーーーーーー


それから数時間後。


「あとは、冷蔵庫で冷やし固めればチョコの出来上がりです。お疲れさまでした、メルさん」

「ええ。ほんと、疲れたわ」

「あは……」


最後の仕上げは冷蔵庫に任せるとして、とりあえず、簡単に作れるカップチョコを作ったメルさんとあたしは、片付けをはじめた野宮さんを視界の端に入れつつ、ねぎらいあった。

メルさんの部屋は、この広いお屋敷の中に独立したワンルームのようになっていて、キッチンやトイレ、バスルームも完備されている。


そういうわけで、メルさんは部屋中をチョコまみれにして暴れていたのだけれど、この惨劇の後始末、すさまじいことになりそうだ。

チョコ作りの後片付け同様、部屋を元通りにするのは、きっと野宮さんなのだ、かなり広範囲にチョコが飛んでいるようなのだけれど、1人で大丈夫だろうかね。……心配だ。


「お嬢様、チョコが固まるまでの間に、お召し替えをなさったらいかがでしょうか。ご出勤の時間も迫っていることですし、どうでしょう、ここは私の案に乗って頂けますか?」

「そうするわ。野宮、着替えの用意を」

「かしこまりました」