「……、……まあ、葉司がそう言うなら、あたしからは、もう何も言わないよ。ありがとう」
「うん。俺らのほうこそ、ありがとう」
そうして、2週間に渡る葉司父の上京編は、これにて一件落着と相成ったのだった。
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その後。
なんとなくお互いに帰りそびれ、返しそびれてしまったあたしたちは、そのまま雑談等をしつつ、時刻がちょうど夕飯時に差し掛かったこともあり、一緒にご飯を食べることになった。
「はい、どうぞ。肉じゃがと、ほうれん草のゴマ和えと、ワカメ入りの卵焼き。あと、きのこのおみそ汁ね。あり合わせで作ったから、あんまり自信はないんだけど……」
そう言いながら、作った料理を並べる。
元カレの部屋に長く居座るわけにもいかないので、外に食べに出た流れで帰る、と提案してみたのだけれど、ずっとコンビニ弁当やスーパーのお惣菜ばかりを食べていたという葉司に、今回だけ!と押し切られ、台所を借りたのだ。
「おおっ!マコの手料理っ!!」
「ちょ、つき合いたての初々しいカップルみたいに喜ばないでよ。葉司が、どうしても、って言うから作っただけなんだからね」
あたしも「あんまり自信が……」と言って料理を出したわけなのだけれど、葉司がことのほか喜ぶもので、かなり恥ずかしい。


