オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*

 
それからしばらくの間、抱き合った格好のままで、葉司はぽつりぽつりと言葉を紡ぎ、あたしはそれを一言も聞き逃すまいと聞き続けた。

葉司の口から語られた葉司父の話は、やはり一番最初にメルさんから聞いた“激烈な父”そのままで、この部屋で話をしたときの、葉司のことを知りたい、という葉司父とは正反対だ。


「確かに俺、オトコの娘に逃げ道を作ってた。でも高校の頃は、そうでもして違う人にならなきゃ、自分を保てなかったんだ」

「うん」

「今でもそれは変わってない。けど、メルたちと知り合って、その気持ちとは別の気持ちも大きくなった。なんていうか……誇りなんだよ、オトコの娘は。俺のプライドっつーか、オトコの娘の俺も含めて“駒村葉司”っつーかさ」

「そっか。うん、分かった」


葉司の言葉で初めて詳細に聞いた、これまでの生い立ちやオトコの娘に対する思いは、ときにあたしを切ない気持ちにさせ、反面、ああ、そうか、と納得させられるものだった。

オトコの娘の自分も含めて“駒村葉司”だ、と言い切った葉司は、相変わらず、鼻をすすりながら話すもので、少し泣いているようなのだけれど、あたしが知る限り、一番かっこいい。