葉司の口からは、どうせ、だの、分かりはしない、だのという台詞が次々に飛び出し、あたしがいくら「違う!」と言っても、聞く耳を持ってもらえる状況ではなくなってしまった。
葉司父からの言づては、葉司が言ったこととは真逆のこと……簡単に言うと、今までの謝罪と、頑張れ、応援する、というエールだ。
けれど、完膚なきまでに否定されたのだと思い込み、明らかに大きく取り乱している葉司に今それを言ったところで、結局は信じてもらえないだろうし、下手をすれば、あたしが葉司を傷つけたくなくて嘘を言っている、と誤解されてしまう可能性も、十分にありえる。
「マコは女の子だからっ!! 親父の奴、女の子とあらば誰にでも優しいんだよ!でも俺は男だ!会うなり、いきなり殴られてみてよ!ああ、やっぱり俺にだけは厳しいんだ、って思うから!! もう嫌だよ、俺、あんな親父……っ!!」
「……」
葉司父とあたしがこの部屋でどんな話をし、葉司父の本心を話したときの葉司の柔らかい表情は、一体、何だったというのだろうか。
あまりの豹変ぶりに、言葉が出ない。
でも、もしかして、葉司のそれは、柔らかいのではなく、冷笑というか、ハナからあたしの話を信じる気はなくて、嘲笑していただけ……?


