その日も、例のごとく、ちょっとお茶でもしようと構内にあるカフェテリアで奈々とまったりしているところに純平がやってきて、放課後だったこともあり、2人を残して帰ることにしたのだけれど、まさかね、会うとはね。
しばらく絶句した挙げ句、きちんとした日本語になっていなくても、そんなにツッコまずに、仕方がない、と諦めてほしいものである。
しかも、露骨に嫌な顔をしろよ、って。
どんだけMな命令ですか。
……それはさておき。
「葉司待ちですよね。ご苦労さまです」
そう言って、あたしは竹山の横を通りすぎる。
最近のあたしの密かなマイブームは手の込んだ夕食を作ることで、そのためには、料理にかける時間の確保とスーパーのタイムセールが欠かせず、竹山にかまっていられる余裕はない。
今日は牛肉が安いとのことで、たっぷり時間をかけて煮込んだビーフシチューを作る気満々なのだ、さっきは「もっかいやり直します?」なんて思わず聞いてしまったけれど、本当は、すぐにでもおさらばしたいのだよ、竹山。
「違う。今日はお前待ちだ、ちんくしゃ」
「……は? あた、あたし?」
「お前以外にちんくしゃがどこにいるよ」
「えー」


