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季節はもう、すっかり冬で、この大都会でも雪がちらついたり、みぞれが降ったりと、なかなかの季節感を楽しめるここ最近。

あたしはまだバイトを休み続けていて、かといってほかにすることもなく、大学と部屋の往復だけ、という味気ない毎日を送っている。


相変わらず奈々とはよく一緒にいるけれど、そこへ純平が加わると、なにやら2人の間には怪しい雰囲気が漂いはじめるもので、いよいよですかねぇ……とムフフなあたしは、用事を思い出したと嘘をつき、席を外すことが増えた。

2人とも、クリスマスは予定がある、とのことで早々に断られたのだけれど、もしかしたら、2人で過ごしていたのかなー、なんて。

いい感じになってきているみたいだし、よろしくやってね、ということで、席を外すのは、あたしなりに気を利かせているつもりだ。


けれど。

そんな中、冬休みが明けて学生たちで賑わいを取り戻した大学内では、多数の目撃情報によって、とある噂が渦巻いていた。


「サッカー部2年の駒村葉司って知ってる?」

「ああ、なんか、ここの学生っぽくない男とよく一緒にいるって噂だよね。しかもさ、その男って、ちょっとアレな感じらしいじゃん」