けれど、それは今考えたって仕方がないことのように思えるし、手っ取り早く、もうひとつの扉を開けてしまえ!と、強攻策に出ないことを信じるほか、ないのではないかと思う。

とどのつまり、何事も葉司次第なのだ。


別れていながら、待つ、なんて虫が良すぎる話だけれど、あたしは、葉司がきちんと答えを出すまで待っていようと思う。

……一、友人として。

それくらいは、葉司も許してくれるだろう。


「奈々。あたし、待ってみるね」

「……うん、そっか。マコがそう決めたんなら、あたしからはもう、何も言わないよ」

「ありがと。だから好きよ、奈々」

「きもっ」

「好き好き好き好き~っ!!」


そうしてあたしたちは笑い合い、その日、奈々はあたしの部屋に泊まることになった。

急にお泊まりの話が出たもので、急遽コンビニに行き、お菓子やお酒を買い揃えたり、少し遠くのレンタルビデオ店まで出向き、借りようと思っていても諸事情により借りられずにいた、あの 『You're not being true to yourself』を借りたりと、元旦の午後は慌ただしく過ぎていく。

映画の感想は……うん。

ノーコメント、ということで。