そして、加えてこうも言う。
「愛菜は今、どん底まで落ちているからね。竹山とどうにかなってしまう可能性も、無きにしもあらずかしら、とあたしは見ているわ」
「……、……。……え?」
「それにしたって、厳密に言えば、あたしは他人なわけだし、まことちゃんがそれでいいなら別に構わないのだけれど、もし愛菜を取り戻したいと思うのなら、もうひとつ別の扉を開いてしまう前に阻止しておくべきね」
「えぇぇぇぇっ!?!?」
「うふふ。どうする? まことちゃん」
うふふ、って。
なんか、あたしの知らないところで、2人にとんでもない急展開が訪れているんですケド……。
ナニコレ、ナニコレ、ドウイウコト?
葉司、扉開いちゃうの?
ねぇ、竹山に開けられちゃうの?
メルさんもメルさんで、あたしが阻止したいと思わない限りは、こちらからは手を出さないわよ、みたいな言い方だし、ていうか、なんでそんなに楽しそうなんですか、メルさんっ!!
「ねぇ、どうするの?」
頭の中が大変なことになっている中、なおも楽しそうにメルさんが聞いてきて、あたしは慌てふためきながらも言葉を探し、こう答える。


