オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*

 
席に案内され、料理が運ばれてくれば、あたしの興奮値はさらに上昇し、リッチ感漂うレストランの雰囲気から「おぉ……!」はさすがに自重したものの、テーブルの下で思いっきりガッツポーズをしてしまった。

先輩は、キラキラと目を輝かせるあたしに満足げに笑い、クリスマスらしくシャンパンを1本頼むと「乾杯!」とグラスを傾けてくる。


「乾杯!」


それに応じたあたしはシャンパンを半分ほどまで一気に流し込み、口の中でパチパチと弾ける気泡とほのかな甘味にしばし舌鼓。

そののち、目の前にずらりと並ぶ料理と、テーブル中央にデデン!とひときわ大きな存在感を放ちながら鎮座する七面鳥に向き合った。


「先輩!七面鳥!」

「オッケー、オッケー、今取り分けるよ」


お皿に取り分けてもらった七面鳥を、ぱくり。

……うんめぇ~!!

クリスマスといえば、今まではスーパーのお惣菜のターキーか、ちょっと奮発してジョンタッキーのクリスマスバーレルがいいところだったのだけれど、高級なホテルで食べる七面鳥は、それらとは次元が違い、別格な味がする。


「先輩、ほら、お皿が空いたぞ」

「ピッチ早いねぇ。はい、おかわりどうぞ」

「うむ。くるしゅうない」