「馬鹿みたい。一人でこんなに悩んで、
孝之くんはもうあたしのことすきじゃないんだ。でもちゃんと言って欲しかったなあー」
「なに?泣いてんの?」
「泣いてないよ」
「泣いてんじゃん!おい、泣くなよ」

吉田くんがあたしを抱きしめた。
強く、でも優しくて温かかった。

キス、される
だめっ、あたしには孝之くんがっ、
そう思った瞬間さっきの吉田くんの話を思い出した。
「孝之さ、A市高校の女と会ってたらしい、ふたりで。まあ何があったかは聞いてねーけど何もないわけないよな?」