淡い初恋

龍くんに、また会える・・・。そして、再び結ばれる・・・。
私は嬉しさのあまり綻ぶと彼女にお礼を言って、スキップを踏むように今度は歩き始めた。その時、向こうから来た赤いベールを纏った怪しげな中年女性の方とすれ違った。

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「あ、お母さんおかえり。」と言うと黒いベールを纏った女性は、赤いベールを纏った中年女性に声をかけた。「美紀!さっきの人、まさか客だったんじゃ・・・。あなたはまだ見習いなんだから接客はするなとあれほど言ったのに・・・。」

「でも、お母さん!私、見えたの!彼女は想い人と再会して、最後、二人が幸せそうに笑い合う映像が見えたの!」と彼女は言うと母親は、重い溜息を付いた。「再び悲しみが彼女を襲う。」「え!?」「真に受けて、変な期待を抱かないでいてくれると良いのだけど・・・・。」

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スキップしながら歩いていると早坂さんから「今度の日曜日、空いてる?有楽町で遊ぼない?」とメールが来た。私は、「良いよ!」と返事を返すと青く澄んだ空に向かって伸びをした。