淡い初恋

週明け、月曜日。私はあからさまに龍くんを避けた。話しかけて来ようとしたけど逃げるように加奈子ちゃんのところに行き、彼女に話しかけた。放課後、何も言わずに先に帰ろうとしら腕を捕まれ、「なんで、何も言わずに帰ろうとするんだよ。」と言われた。私は、ただ「ごめん、体調悪くて。」とだけ応えた。嘘だけど。「大丈夫か?」と聞かれ「うん」と頷くと、彼はため息をついた。私は、これ以上一緒に居たくなくて「ごめん、今日は一人で帰るね。」と言うと「え?なんで?」と聞かれた。「迷惑かかるから。」と言うと「大丈夫だよ。なんかあった時、誰かそばにいないと危ないだろ?」と言ってきた。ほっといて欲しかったけど本当になんかあった場合、龍くんがいた方が心強いかもと思い、「分かった。」と小さく返事をした。


下校中も終始無言だった。龍くんが「体調大丈夫か?」と聞いてきた時、私はふと「龍くんの家に行きたい。」と思いついたように言った。「え?俺の家?別に構わないけど体調は?」と聞かれ、「治った。」と応えた。「え?マジか!?」彼は少しホッとした表情を浮かべると私達は彼の家に向かった。だけど、その日は彼の部屋には入らず宗次郎さんと彼と私の3人でリビングで会話して終わっただけだった。絶対、二人っきりになんかなるもんか。体を求めてきても絶対受け入れないんだから。

龍くんももっと苦しめば良いのに。もっと混乱して、私のことしか考えられなくなる位、胸を痛めれば良いのに。そうすれば私のこの気持ちも分かってくれるでしょ・・・?