「なあ、桜」

蝉がミンミン鳴くなか、突然祐也が真剣な顔をして話しかけてきた。

「なに?」

無防備にメールをしていた私は、携帯から顔をあげ、聞き返した。

「あのさ、恋愛相談乗ってくれよ」

「はぁ?」

祐也の突然の言葉に思わず声が裏返る。

そんな私に対して、祐也は真剣な顔でこちらを見つめている。

「どんな相談なの?」

一応聞いてみるけど、祐也のことだから、きっと単純なことなんだろうな。

「実は俺さぁ、好きな子ができた」

いかなりの祐也の大胆発言に、持っていた麦茶をこぼしそうになる。

冗談でしょ。

そう思うけど、祐也の目は真剣で。