マー君(原作)

<16>

美代はまだ家についてなかった。

彼女はわざと遠まわりして家に帰っていた。

家に帰っても親に嫌な目をされるだけで、家にはあまりいたくなかった。

だから、いつも皆で夜遅くまで繁華街で遊んでいるのだ。

「美代、どうしたらいいんだろう?」

一人とぼとぼ歩きながら独り言を漏らす。

最近勇気達のいじめがエスカレートしている。

このままでは春香はおかしくなってしまう。

春香は、春香は――本当はいじめられる理由なんてないのに。

坂子なんてかばったばかりに。

けど、それは理不尽かもしれない。

私が春香にしていることを思い出せば――。

ある日の放課後春香に謝ったことを思い出した。

あの時、春香はもうおかしくなっていた。

でも、春香は逃げない。

逃げようとしない。

皆のように偽善者ぶって仮面をつけていれば、彼女はあんなにも苦しまなくてもすんだはず。

でも、私はもう――。