マー君(原作)

マー君>僕は僕さ。

君にこのゲームを紹介したのは僕さ。

僕は君の存在に気づいていた。

人は道徳、理性など、様々な要因により内の本当の自分を隠してしまう。

だが、君は違う。

君は自分をさらけ出した。

だから、僕は君に手を貸す。

君が本当に自分らしくなれるために――。


自分らしくなれる――。

その言葉に春香はにやついた。

いつの間にか、この言葉が支えになっていた。

と、同時にこれが自分が作り出した言葉のように思っていた。

春香はまだマー君を警戒していたが、彼が私の望みを叶えてくれるというのなら……。


ハル>いいわ、話を聞くわ。あなたを信用するわ。


上辺だけの言葉だが、これでいいだろう。

そんな軽い気持ちが書き込んだ。

と、またマー君から返事が返ってきた。

しかし、その文は目を疑うものだった。


マー君>君はわかっていない。

君はまだ完全に自分自身になれていない、いわば未完成だ。いとも簡単に壊れてしまう。


私が、未・完・成?

春香この時初めてゲームの中のハルを疑った。

完全と思われた自分が否定された。