マー君(原作)

<25>

「洋太! おい、貴様!」

洋太は薄れる意識の中、声を聞いた。

どうやら倒れているようだ。洋太は霞む視界の中、誰かに手を握られるのを感じた。

いったい何が起きたのか?

「貴様! 目を覚ましやがれ!」

手を、体を引っ張られる。洋太は頭がぐらぐらする中、手を引っ張った吉沢の肩を掴んで立ち上がった。

その時視界に、レベルMの姿が見えた。周りには黒い仮面をつけた者達が倒れている。今立っているのは吉沢と洋太、そしてレベルMだけだ。

「走れるか?」

吉沢がすぐ近くまで迫ってきたレベルMに銃を向ける。

洋太はようやく視界がはっきりしてきた。そして何があったか思いだした。

あの後、進んでいる途中レベルMに奇襲を受け、それから--。

「おい!」

「あ、ああ」

洋太は吉沢の声で我に戻った。もうレベルMはすぐそこまで迫ってきている。黒い図体が通路を塞いでいる。仮面から微かに笑い声が聞こえる。両手の爪が鎌のように長く鋭い。

「貴様は行け! こいつは俺が止める。だから--」

「けど!」

「いいから行けって言ってんだろうが!」