マー君(原作)

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ある日の放課後、春香は人気のない部屋に連れてこられていた。

春香にとってはそこがどこであろうと何も感じないため、気にならなかった。

ただ、その部屋には勇気もいた。

今度は勇気と春香二人だけが部屋にいた。

どうやらここは家庭科室と呼ばれる部屋のようだ。

春香はゆっくりと長テーブルが一定の間隔をあけ置かれ、その上に丸い腰掛椅子が置かれている光景を眺めた。

勇気と春香は、部屋の真ん中辺りで向かい合うように座っており、黙って見つめ合っている。

まさに異様な光景だった。

いじめる側といじめられる側が向かい合って黙っているのは。

それに、部屋の様子もそうだ。

部屋は全て黒いカーテンが引かれ、薄暗かった。

そしてドアには鍵が掛けられ、密室状態化となっていた。