マー君(原作)

画面の中で、ちょうど放送が始まった所だった。白い仮面がニヤリと笑い、まるで生きているかのように話しだした。

「皆さん、また会いましたね。僕はマー君、ネット上の殺人鬼マー君!」

桂子は昼頃に見たマー君の宣戦布告を思いだした。まさか、またこれを見るとは--。

「この映像は全世界同時中継となっている。さあ、待たせたね。よーやく僕は真の力を取り戻せる」

真の力--。桂子は画面に映るマー君を穴があくほど睨んだ。

こいつのせいで、みんな--。

「これで、君達人間を開放してあげられるんだ。今日でこの偽りの世界は終わり、新しい世界がやってくる」

画面に映るマー君を見ていた金田が、ぽつりと漏らす。

「ぞくぞくするよ、マー君。これが、これが君が望んだ世界なんだね?」

君が望んだ世界?

桂子は何かひっかかる気がした。何かが--。

もしかして--。

「待って! 金田君」

「あぁん?」

「君は自分の意思でこんなことをしてるの? それともマー君の意思で--」

「どっちもだ」

金田はぶっきらぼうに答えた。初めて本心からの言葉と思えた。