ジョーンはオリジナルのマー君の言葉を遮り怒鳴り散らした。そして部屋にいた他の研究員に命じた。

「直ちにこの部屋を閉鎖しろ! 私が出て行った後、内側からロックするんだ。私は外側からロックする。

断じてここに感染者の侵入を許すな! 軍が動くまで耐えるんだ!」

それだけ言い残し、ジョーンは部屋を後にした。その際後ろからオリジナルのマー君の笑い声が耳に残った。

「もう手遅れさ。感じるんだ。僕の存在を。僕はここに向かってるよ。ククククッ」

部屋を出たジョーンは、すぐにドアの横にある装置に向き直った。

その装置にはカードを通す場所があり、ジョーンは持っていた赤いカードを通し、素早く1~9まである数字のボタンを馴れた手つきで入力する。

「こんな、こんなはずでは、ないのに--くそっ!」

愚痴を漏らしながら数字を入力し、数字のボタンの下に設置されている小型モニターを指でタッチして、画面内に表示されている項目を選択する。

画面右上にある「緊急時」を押し、次に表れた「完全遮断」を押す。その間も警告が鳴り響く。

(警告! 警告! 緊急マニュアルによりこの施設は--)