「僕もマー君だけどね。ククククク、本当に残念だ。ああ、残念だよ、君らは。

予定では、そうこの計画では全国にいる荒師だけを一斉デリートするはずだった。けど」

「ぼ、僕は--違、う」

荒師の坂井が必死に首を左右にふる。しかし、金田は見向きもしない。

ノートパソコンから全身黒い仮面をつけたマー君が現れる。そのマー君は長身の背をくの字に曲げ、口を開いた。ひび割れた声が響く。

「オマエラ、ゼンインデリート。オマエラハデリート。ククククッ」

「残念なことに、マー君はこの学校だけ特別に全ての人間のデリートを決定した。

君らがJCOという悪質な組織に関与していると考えたからだよ」

金田は白い仮面越しに笑い、黒板に向き直る。そしてチョークを持ってでかでかと何かを殴り書いた。

桂子はその文字の意味がわからなかった。

金田は笑いながら、黒板に書いた字を読んだ。

「マー君プロジェクト、これを今から実行する!」

黒板にはマー君プロジェクトと書かれていた。


荒らし編終わり