マー君(原作)

また声が途切れる。

こいつは楽しんでいる。皆が、視聴者に無駄な時間を与え、その反応を見ている。

桂子は皆によく聞こえるようにカセットテープを胸の前に突き出す。そこから声が響く。

「君ら人間は誤解している。皆。

君らはこう思っていないか? 自分は人を殺さない、そんなことは絶対にしない。そう思ってないか?

その考え方から間違っている。人間は生まれながら他者を殺したいとどこかで思っている。わかるか?

それほど無知なんだ。不完全なんだ。思い込んでいるんだ。

自分は人を殺さない。そう言い聞かせないと、制御できない。なぜかわかるかい?

それは、他者を知らないから。自分のことしか頭にないからさ。

今の社会そうだろ? 勉強しよう。あいつには負けたくない。親がこういうんだ。テストでいい点数とろう。よし、今日もよくやった。

そうして自分のことしか頭になくなる。

よし、俺は頑張っている。そうやって満足していき、自分自身に酔っていく。その内、周りがどんどん見えなくなっていく。

それが危険なんだよ。僕はそれを警告するためネットの世界から現れた」

警告するため? 桂子は始めてマー君のことについて聞いたが、まさかこれが目的で今まで沢山人を殺してきたと?

こいつが言っていることは。まさか――。

脳裏を悪い想像がよぎる。それは決して許されない、恐ろしいことだった。