マー君(原作)

「さぁ、そろそろ、本題に入ろうか。

その前に僕のことだが、皆僕のことは知っているよね。マー君――それが僕の名前。言っておくが僕は人間じゃあない。ネット上の殺人鬼だ。

でも、なんで僕が人を殺すか、わかるかな?」

おそらく皆に考える時間を与えるつもりなのだろう、しばらく息遣いだけ聞こえる。だが、誰も答えるものはいない。

ただの録音テープなのだから。

それに犯人が同じ場所にいるため、迂闊に意見を言うのは危険だった。

テープからまた声が流れる。

「僕が人を殺すのは……僕を否定するからだよ。僕は否定されるのが嫌いだ。悪口を言われるのはもっと嫌いだ。

だから殺す。

けど、僕は僕に賛同する者には危害は加えない。むしろ歓迎するよ。僕を認め、従えば、君達をネットの世界に連れていってあげるよ。

こんな腐りきった世界にいるより、こっちの世界に来たほうが、君達にとっても幸福なはずだ。

わかるかい? この世界はどんどん腐っていく。

平和? そんな曖昧な物は、この世界では無意味さ。君らは知らない。知らなすぎる。

この世は憎しみの連鎖だ。誰かが誰かを憎しみ、そしてまた誰かを憎しみ、永遠に繰り返す。それは君ら人間がそういう生き物だからさ。

この意味がわかるかい?」